コンビナンパ@渋谷

勝ちに不思議な勝ちあり

負けに不思議な負けなし

松浦静山(肥前国平戸藩の藩主/ 1760~1841)

7月某日、渋谷。

この日は久々にコンビナンパをする予定だった。友人であり、最近コンビで連勝中のSとだ。自宅で待機していると、マンションのインターホンが静かに鳴った。彼だ。先日、ICレコーダーで記録をとったナンパ音声を二人で確認しつつ、簡単な考察をした。彼はPUAの仲間内でもクレバーな存在だ。しかしピックアップとなると、どちらかというとfeeling寄りのkitagawaに近いスタイルになる。チームワークは完璧とまではいかないが、それぞれのセンスで成功まで導けていた。もっと話し込んでコンビの経験を積めば、さらにシナジー生んでいける存在になりうる———そう、kitagawaは心の中で思った。kitagawaとSは、互いを賞賛し、リスペクトしていた。

手早く用意をすませて、ドアを開けた。外はあいにくの雨だ。雨の日のピックアップは、セットした髪が湿気でうねり、服が濡れ、モチベーションが削られれいく。しかしそれは、成功率にはさほど影響はないことを、kitagawaは過去のデータから知っていた。

渋谷のスクランブル。さぁ、ゲームの始まりだ。

声掛けを始める。

1件目。スタバ前で待ち合わせしているOL。7。コールドリーディングから待ち合わせオープナー(最新のデータではオープン率92%超!)を選択した。

オープン。和み開始。2分ほどで待ち合わせ相手が到着し、その子を迎えにいくことになってしまった。kitagawaは慌てずケータイを出し、連絡先を交換した。ナンバークローズ。

例えコンビナンパであっても、高ストのソロ案件がいればアプローチをかける。そんな自由なスタイルで街へ繰り出していた。ストでは臨機応変さと柔軟性が非常に重要なファクターだ。それをSも理解していた。

2件目、3件目、4件目…オープンはするものの、上手くそれ以降に続かない。5件目、6件目。ガンシカ。10件ほど声がけをしたところで、一旦自宅で休憩することにした。酒を飲み、今後について語る。まだ二人とも諦めてはいない。時計の針はすでに2時を回っていた。

この日はT2とatom、キャメで合同イベントだったせいか、コスプレ女子が街にちらほらいた。しかし、二人にはクラブに行くという選択肢はなかった。ストリートは限りなく自由だ。また、コンペティターの母数もクラブの比ではないことは明らかだった。atom前の坂を下ると、コスプレをした女子二人に遭遇した。

「卒業おめでとう!」

kitagawaが第一声を放った。

「えwなになにっいきなりw」

オープン。6と4のコンビ。ごめん、S。そしてサポートよろしく。

「花火でもしよか」

kitagawaが続ける。

「ウケるんだけどwどうする?」

女子が相談を始める。kitagawaの10ダラースマイルが炸裂。kitagawaは作り笑が苦手だった。しかし、自信満々な態度で会話を続け、押し切った。持ち出し成功。ドンキで花火を購入し、公園へ向かう。雨の中の花火大会が始まった。

ほどよく盛り上がってきたところで、家打診。シャンパンセレブレーション。ノーグダ・イン・マイ・ハウス。ノーダメージメガンテからのテキーラフェスティバル。勝利は目前だ。

「シャワーかして」

突然、Sの担当が言った。このままこの家から直接職場に行くつもりらしい。kitagawaは快諾した。と、同時に思考を高速で巡らせた。友人グダを崩すルーティーン「ショッピング・セパレート」の変化系、「バスルーム・セパレート」を狙いにいく。そう決めた瞬間、kitagawaはバスルーム前へ移動していた。どうする?全裸で突入するか?それとも出てきたとこをギラつくか?しかし、Sの担当とは、ほぼ和んでいない。グダられる可能性は非常に高かった。kitagawaは後者を選択した。シャワーから出てきたところをギラつきに行く。予想通りのグダ。この結果は容易にイメージできた。ここでは崩せないと判断し、リビングへ二人で戻る。決して雰囲気は壊してはいけない。

元の担当に戻り、寝る流れをつくる。ゲスト用のベッドを用意し、Sと女の子を寝かせる。kitagawaとkitagawa担当の女子はkitagawaのベッドへ。しばらくして、ゆっくりめのギラ。軽めのグダ。空気を読みながら、下半身を触る。濡れて、わずかな声が漏れた。挿入。

突然、kitagawaは猛烈な尿意を催した。しかも、このタイミングで。最悪だ。そう思いながらkitagawaはトイレにたった。そのときだった。S担当の女子のアラームがけたたましくなった。逆・雰囲気ぶち壊しルーティーン。そのアラーム音は、まさしく試合終了の合図だった。女子二人は用意を手早く済ませ、kitagawa宅を後にした。

私たちの敗北が決まった瞬間だった———。

■結果
□声掛け:11件
□番ゲ:2件(7、6)
□即:1件(6)

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