六本木ピックアップ物語・中編 〜バンギャと温泉と準即〜

技術よりも勝利への執念こそが大事だ

- カルロス・ケイロス(サッカー指導者/ 1953〜)

前回のエントリー「六本木ピックアップ物語・後編 〜女子アナとオンリーワン中毒〜」をまず先にご覧ください。


ある一人の女性に魅了されてしまったkitagawa。PUAとしてのプライドをどこまで保てるのか——。今、試される時だ。

ルーティーン”無の境地”。もう即以外、何も考えられない。完全なピックアップ・マシーンとなったkitagawaがそこにはいた。

しばらくサージングするも、めぼしい案件は見つからない。気持ちばかりが空回りしていた。しかし、焦りはなかった。”無の境地”により研ぎ澄まされた感覚は、あらゆる雑念を排除した。爆音でかかるEDMですら、静寂のように感じられた。声掛けを続けた。

午前4時。ダンスフロアで、8と6の案件を見つけた。OL二人組。kitagawaは迷わず6に声がけをした。直感的に得意なジャンルと悟ったからだ。予想は的中した。彼女は元バンギャ(V系バンドが好きなギャル)だった。昔バンドを組んでいたkitagawaは、対応に自信があった。ウィングの小山も8を積極的にカバーしてくれる。横目で様子を伺いながら、会話を続けた。相方の笑顔も多い。その辺は、さすが小山だと思った。

小山はフィーリング寄りだが、そのオリジナリティ溢れるトーク術にkitagawaはいつも感心させられていた。独自性の強いボケと鋭い回転のツッコミ。彼はとても器用だった。

連れ出しのハンドサインを送る。kitagawaが仕掛けると同時に、小山も動いた。

「ここで立ってるの疲れたし、ちょっと出て飲み直そうよ」

6の元バンギャにkitagawaが言った。

「友達がいいなら私は全然良いよ。」

空気読む系女子。小山にサインを送る。相方もOKの返答。連れ出しの準備は整った。荷物をロッカーから取り出し、V2を後にする。すぐさまタクシーを拾い、kitagawa宅方面へ向かう。事前に打ち合わせた通り、タクシーの中で小山の的確な第三者話法が繰り出される。流れるようにkitagawa宅へ。

洋楽を流し、ブルーライトの間接照明をつける。テキーラ・ショットをキッチンで用意し、ルーティーン”ノーダメージメガンテ”(女子にはテキーラ、自分たちはウーロン茶等で誤魔化すルーティーン)発動。一気に女性陣のテンションが上がった。ここでkitagawaがショッピング・セパレート(買い物のタテマエで女子を分離するルーティーン)の誘導を小山へ発信する。小山が8を連れ出しコンビニへ向かう。

kitagawaは、6をグダらせないように注意を払いながらゆっくりめにギラ移行開始。キス。ノーグダ。セクへつなげるため、ベッドへの移動を試みる。ここでいきなりインターホンが鳴る。早い、、、早すぎる。オートロック・エクスキューション(マンションのオートロックを用いて足止めをし、目的達成のために時間稼ぎをするルーティーン)か?いや、それはダメだ。kitagawaが6を即っても、小山が8を即れなければ意味がない。小山と8が戻ってきた。ショッピング・セパレートが失敗に終わる。

しばらく、4人で和む。kitagawaはこの日、8時から温泉アポのための待ち合わせを控えていた。先日ピックアップした、某有名ホテル勤務、スト値7との準即のためだ。やばい、時間がない…!このままでは共倒れになってしまう。kitagawaは考えた。kitagawaが6を連れ出し、二人で一緒に駅まで向かう。これしかない。

kitagawaは用があることを6に打ち明け、一緒に帰ろうと打診をした。6はこれを了承した。小山、あとは頼んだ。kitagawaは心の中でそう思いながら、6を連れて自宅を後にした。

6を駅まで送り、某ホテル勤務の彼女との待ち合わせ場所まで向かう。道中、LINEに着信が入る。小山からだ。

「やったよ」

我々は勝利した。と同時に、昨日の女子アナ8のことが——キラキラとした感覚が、kitagawaの脳裏には未だこびりついていた。

「kitagawaくんおはよー!(*^-^*)昨日はありがとね!フレンチ楽しみにしてるー!」

そんな女子アナ8からのLINEに気付いたのは、貸切温泉でホテル7との一戦を交えた直後だった——。


続く——。


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