V2六本木フィールドレポート

僕は天才ではありません。

なぜかというと

自分がどうしてヒットを打てるかを

説明できるからです。

ー イチロー(プロ野球選手)

8月某日、渋谷。

うだるような暑さの中、kitagawaはJR恵比寿駅から日比谷線へ続く、地下への階段を下っていた。隣には、にこやかな表情の横山が並んで歩いていた。

この日は花火大会もあり、駅構内でも浴衣を着た女性が目立った。民族衣装2割増しの法則。浴衣マジック。

PUAが2人揃うということは、すなわちどこでも戦場と化すということだ。ホームで電車を待ちながらピックアップがスタートされた。

5、6、7の浴衣女子。

「今日ってどこかでお祭りでもあったんですか?」

kitagawaがアプローチをかける。間接法におけるクローズド・クエスチョン(closed question:yes/noで答えられる質問)をチョイス。

オープン。1対3。横山は様子を伺っている。女子側は話す準備が整っていない様子。空気を壊さないように注意しながら、相手との距離を縮め会話の支配権を持つための持ち物ネグ。減ってない綾鷹の2Lペットボトル、および服装などをいじる。反応はあるが、きわめて薄い。そして、地下鉄構内のひどい暑さに負けて、一度撤退を余儀なくされる。

耐えきれずに送風機の前まで避難し、自販機で水を買う。横山と二人で今日の作戦や、ハンドサインの確認を行う。

今日の戦場は六本木V2tokyo。この日、kitagawaは海でのピックアップを終えたばかりだった。オールでクラブを戦い抜くには少々体力的にも心配はあったが、ブラックコーヒーやレッドブルで疲弊した身体を鼓舞した。移動中も睡眠をとりながら、なるべく体力の回復を図った。

六本木の地に降り立ったkitagawaは、客観的に見ても微塵も疲れなど感じさせていなかった。

V2へ行く途中、7のコンビを発見。声掛け。

「そのガム俺にもちょうだい」

kitagawaはオープナーから大きく踏み込んだ。彼女は友人にガムを渡し、自分の分をケースから取り出している最中にだった。

「いいよ(笑)はい。そっちの友達も食べる?」

優しい子だった。今夜のピックアップの行く末を暗示しているかのように思えた。

「私たち、ここいくんだよね。お兄さんたちは?V2?」

彼女はそういいながら、ESPRIT前で立ち止まった。kitagawaは番ゲせずにお礼だけ言ってその場を後にした。PUA的な見地で見れば、あるいは不正解なのかもしれないが、この日のkitagawaにとっては、それが最適解だった。

良い気分のまま、途中にあるセブンに入る。景気付けのビールを買うためだ。ドリンクコーナーの隣で大量のアイスを買い込んでいる女子を発見。スト値8。

彼女はアイスを買いすぎたせいで両手が塞がっており、コールドドリンクが収まっている冷蔵庫のドアを開けられずにいた。

「大丈夫ですか?何をとります?」

kitagawaは笑顔で言った。

「あ、じゃあ2Lの水を、、、(笑)」

彼女は恥ずかしそうに、そう返した。オープン。そのまま会話を世間話にシフトした。

彼女は某メガバンで働きながら、東麻布に家族と一緒に暮らしている。小さい頃にコアラやカンガルーを見たいとパパにおねだりすれば、そのまま動物園、、、ではなくオーストリアへサクッと向かってしまうような、ハイソな家庭環境の子だった。歩きながら会話を進めると目的地のロアビル前についた。横山のことが気になったので、タイミングをはかり番ゲして放流。

後ろを振り返ると、横山の笑顔が見えた。さきほどコンビニで買ったビールをあけ、ビルの前で相棒と乾杯をした。

さぁ、今夜もゲームのはじまりだ。

いつものようにエントランスをくぐり抜け、中へ入る。この日は特に高スト案件が多かった。片っ端から声掛け→オープン→和みを繰り返しながら、即案件を探す。

横山はPUAとしての力や戦術理解力、個人のポテンシャルは高いが、即の経験がほぼないためkitagawaが作戦を指揮しなければいけなかった。そのことを念頭に置かなかったため、(あるいはそこは疲れで意識が回っていなかったのか。ルーティーンになっているピックアップは無意識化でアクションを起こせる)無駄な番ゲと和みが増えた。

・Mちゃん/豊洲住み/OL/7

・Mちゃん/埼玉/事務/身長168/6

・Yちゃん/湘南/塾講師/7

・Rちゃん/川崎/OL/6

・Yちゃん/千葉/清楚系JD/6

・Nちゃん/横浜/恵比寿OL/6

・Yちゃん/山梨/看護学生/8

・Kちゃん/中野/保育士/8

・Hちゃん/石神井公園/慶応/6

・Yちゃん/高円寺/アパレル/7

・Nちゃん/千葉/看護師/9

・Yちゃん/千葉/商社/8

ここまで番ゲしたときにはすでに時計の針は4時を回っていた。やばい。kitagawaは焦った。何をやっていたんだ俺は。準即?ちがう。目的は?即だ。横山を成功に導かなければいけないんだ。

ロッカーで荷物を取り出す。5と7のセットを発見。即座に声掛け。介抱オープナー。オープン。そのままロッカーで少し和んで、連れ出し打診。シャンパン・セレブレーションのオファー。

タクシーに乗せ、kitagawa邸へ。誕生日が近いし、シャンパンでお祝いしようという理由付けをし、コンビニでスパークリングを購入し、家へ。

kitagawaは勝利を確信していた。シャンパン・セレブレーション。本当に毎度お世話になってます。シャンパーニュ地方の皆様へ感謝。一通りシャンパンを飲み干し、ベッドを用意する。ノーグダ。

こうして今日も、一人の女子の貞操観念が消えていった。

そう、まるでシャンパンの泡のように。


コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です