30即/月をかけた戦い Vol.3

休息なんて、あの世に行けば

誰でもできるではないか

– 竹内 均(物理学者)


8月末日、渋谷-。

Kitagawaは30即の目標に向けて、最後のスパートをかけていた。

ここまで25即。残された日は…1日。

最後はもはやピックアップ・アーティストとしての意地でしかなかった。しかし、まったくもって苦ではなく、むしろ心地良かった。まるで、ランナーズ・ハイにでもなった老獪なマラソンランナーのように。

この日は、19時からのアポと24時からのアポを抱えていた。19時からのアポに関しては、先方からの強いIOIを感じていた。また、24時からのアポは先週T2(渋谷にあるクラブ)でナンパして、別れ際にキスをするくらい和めていた案件だった。両方とも、自信があった。

しかし、19時からのアポはちょっとしたトラブルがあり、率先して流した。そして、この案件に関しては、またアポれば良いと判断し即案件を探しにストリートへ出ることにした。

夕方に仕事を終えてから自宅へ戻り、シャワーを浴びてすぐに出掛ける準備を済ませた。不意に気が抜けて、ベットに横たわる。お盆休みから激しく活動していた疲れのせいか、急激な睡魔に襲われてしまう。

ふと、目を覚まし、時計を見るとすでに22時を過ぎていた。やってしまった。ケータイに大量のLINEメッセージと着信が数件あった。その中で返すべきものを返し、友人からの電話を折り返す。週末の予定を調整した。

たまっていた家事を済ませ、部屋を整理整頓する。そして、急いで髪をセットし直し、服を着替え路上に出た。

23時半、ストリート開始。あまりにも遅すぎた。ちょうどこの時、24時のアポの彼女から30分遅れる旨のLINEが飛んでくる。こちらにとっては好都合だった。

スクランブル、ハチ公前をサージング。即案件は?居ない。2件番ゲをしたところで、アポの彼女から到着する旨のLINEが着信した。ドンキで待っている旨の返信をした。ほどなくして、彼女から着いたとの連絡が来る。

ドンキ内で彼女と合流。肩が透けているセットアップの黒いワンピース、白と黒のヒール、毛先にかけて緑のグラデーションの髪。彼女は、誰が見てもアパレルか美容師のどちらかに見えるだろう。正解は後者だ。彼女の手はカラー剤で赤く染まり、その他シャンプーなどにより酷く手荒れしていた。スト値6。

「シャンパン飲もう!」

Kitagawaはいつもの決まり文句を淡々と放った。そのまま会計を済ませ、世間話を途切れさせないように自宅へ向かった。

「ねぇ、どこ行くの?」

彼女の質問に対して、何気なく受け流した。

「あ、ここ家なんだよね。」

家の前まで来て、さも家で飲むのが当然のように振る舞う。ノーグダでイン。

IMG_2679

シャンパンを開け、洋楽のミックスCDをかける。シャンパン・セレブレーション。彼女は3代目J SOUL BROTHERSが好きだった。このことは、彼女の携帯の待ち受けから見て取れた。そのことに気づき、何気なくリュウセイ(3代目の曲)をかけてみる。ノリノリになる彼女。

バスローブ・ルーティーン発動。まさかのバスローブグダ。お姫様抱っこでそのままベッドに連れていく。ギラ。形式グダ

焼き魚理論

Kitagawaは達成感に酔いしれながら、今夜も白い天井を見上げた-。

30即まで、あと4。


コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です