東京湾納涼船ナンパ 上巻〜船上のピックアップアーティスト〜

私がこれまでに解決した個々の問題は、のちに別の問題を解決する為の法則となった。

– ルネ・デカルト


9月某日——。

この日、kitagawaとハヤト、亀梨のトリオは、浜松町行きの電車に乗っていた。

東京湾納涼船に乗船するためである。

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東京湾納涼船

URL:http://www.nouryousen.jp

今年もみんなで、夜景にカンパイ!ゆかたで楽しめる夏の風物詩、東京湾納涼船!(公式HPより)

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浜松町の改札を出るとすぐ、浴衣の美若が数組散見された。8と6の案件を発見。コンペティターはいない。戦いはもう始まっていた。kitagawaのスイッチが、即座にONになった。

「すみませーん。納涼船ですか?乗船の時間て何時か分かります?」

笑顔で間接法を投げてみる。オープン。彼女たちは、本来四人組で、体調不良で来れない残りの二人組の分のチケットを改札付近で捌こうとしていた。また船上で会う約束をして、リリース。

乗船のリミットが迫っていた。

ギリギリまで、渋谷のkitagawa邸で体力を温存していた為だ。足早に竹芝のターミナルまで向かう。その中でもハヤトとkitagawaは可能性を模索する為に目を光らせていた。信号待ちで団体に声をかけるも、1対多のルーティーンがうまくいかずに即、リリース。ここで、低スト相手にそこまでガツガツいく必要はない。それをkitagawaもハヤトも理解していた。そんな中、一人駆け足で先頭を歩く亀梨が居た。

数分ほど歩いて、ターミナルまで到着。チケット販売の列に並ぶ。前に浴衣の2人組を発見。間接法を用いて声がけしてみる。5と6。うまく和めず。

乗船チケットと合わせて、フードチケットも購入した。トイレなどの用を済ませつつ、ターミナル内をサージング。ハヤトが果敢に写真オープナーで攻めるも、サポートがおらず断念。

今回は番ゲしにきたのではない。即を得るために来たのだ。そう再確認した。

程なくして時間が来る。作戦を確認する。

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乗船 19:15

下船 21:00

・20時までに番ゲをminで3件する。

・その中で即案件があれば下船までホールド

・乗船中に案件がいなければ、下船からターミナル→駅までの道でピックアップ

・即案件ができたらタクで渋谷へ

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ハヤトは作戦を充分に理解していた。というより、言わなくても全て分かっている様子だった。亀梨のサポートをどうするかがチームとしての課題であった。

乗船後すぐ、キュウリを頬張る女子を発見。スト7と6のコンビ。声がけ。間接法によるオープナーを選択。立ち止まらせることができない。その後、階段でも声掛けをするも和めず。

悪い予感がよぎった。まさか、和めないのか?納涼船はナンパに向かないのではないか?

そんなことが脳裏に浮かんだ。それを言葉にした途端、ハヤトが遮った。自信満々の笑みだった。

「そんなことはない。」

たしかに、とkitagawaは思った。今まで何回の声がけと即を繰り返してきたのか。その過程で得た経験値がすべてを物語っていた。すべての不安がどこかに飛んで行った。

甲板へ向かった。海を眺めながら、写真を撮る女性がいた。ハヤトがピックアップをした。kitagawaは一瞬サポートに入るも、即案件ではなかったため、和むことを控えた。

後ろを振り返ると、駅で会った8と6の案件がそこには居た。

瞬間的に声掛けをした。

「あ、さっきの!チケットは無事売れましたか?(笑)」

微笑みながら「あー!」と向こうもこちらに反応を示した。黒髪をアップにした浴衣スタイルの彼女はCAだった。kitagawaは瞬く間に彼女に魅了されていった。素直で、どこか知性を感じる話し方。大分の出身で、こちらに出てきたのは4月。kitagawaが話す言葉に、目をキラキラさせながら耳を傾けていた。特に、鎌倉の話をしたときの彼女の表情は非常に印象的だった。絶対に一緒に行きたいと思ったし、それは必ず実現できるとも思った。番ゲしてナンバークローズ。

しばらくサージングを繰り返した。案件はいなかった。ドリンクを片手に、サージングを続けた。絶対に成功できる。そう確信していた。なぜならば、サージングしているときに気になるコンペティターの存在が皆無だったからだ。量を当たれ。ハヤトとの連携がキーだった。

ドリンクコーナー付近で、7と6の案件を発見。6に声がけ。彼女は大学生だった。少し和んで番ゲ。フレンチレストラン勤務で高身長、綺麗めの7が邪魔をしようとしてきたが、ハヤトがうまくガードしてくれていた。そして、kitagawaがどちらかといえば7がタイプだったのをハヤトはお見通しだった。7はハヤトと亀梨に託したかった。ナンバークローズ。

「kitagawa。なんで7の方にいかないん?俺6の方が良かったんだけど。kitagawaも7の方がタイプでしょ?」

その通りだった。次あったらチェンジのハンドサインをうまく使おう、そんな話をしつつ、ピックアップを続けた。

メインのフロアで7と5の案件を発見。うるさくて和めないから、甲板へ移動することを提案し、彼女たちもそれに合意した。kitagawaは7の案件を担当した。彼女は大学生。中学校から彼氏がいない。明らかに即案件ではなかった。ハヤトは和んでいる様子だったが、ハンドサインを出し、番ゲしてリリースした。

再びメインフロアにもどると、先ほどの6と7の二人組を発見。ハヤトは即座に6の大学生にアプローチをし、kitagawaはフレンチレストラン勤務の綺麗め7の案件と和みをスタートさせた。6は本当に性格の良い女の子だった。チェンジは成功したかのように見えた。

続く———。


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