【六本木ナンパ 前編】インターナショナル・ラブ 〜我輩はバイブである〜

自らを尊しと思わぬものは奴隷なり。

– 夏目漱石


9月のと或る週末—。

この日は、小山と共にピックアップをする約束があった。

向かう先はそう、いつものV2 Tokyo。

kitagawaはその日、終わらない仕事を前に溜め息を付いていた。本当はもっと早く帰る予定でいた。何故ならば、小山は既に渋谷に到着していたからだ。待ち合わせ時間に間に合わないのは明らかだった。

仕事を終え、準備を整え小山と合流するころには、時計の針は23時半を回っていた。景気付けのリポDを渡し、TUTAYA前で乾杯。

すぐさま山手線に飛び乗った。

渋谷から六本木へ出るには、大きく分けて3つのルートがあった。1つめは代々木(もしくは青山一丁目)周りの大江戸線ルート、2つめは恵比寿周りの日比谷線ルート、そして3つめはタクシーだ。

前者2つは、地下鉄の乗り換えが面倒だが、行く途中でピックアップできるというメリットがあった。大江戸線の青山一丁目乗り換えは突風が吹くので、PUAにとって命とも言えるセットした髪型が崩れてしまうという危険性を孕んでいた。そのため、この日も代々木で乗り換えていた。日比谷線は大江戸線に比べて楽だが、終電が早かった。

kitagawaと小山はそんなことを思案し、ピックアップしながら六本木を目指す道を選択した。

代々木駅、大江戸線ホーム。身長165センチメートル程の、スラっとしたモデル体型の彼女はそこに佇んでいた。青色のカラコンが大きな瞳の中で鮮やかに輝き、その身体は程よくシェイプアップされていた。

「六本木ってこっちであってます?」

間接法を用いたオープナーを投げた。

「あ、合ってますよー。」

すぐさま彼女から返答が返ってくる。オープン。彼女は都内在住の学生で、これから友人と六本木の街へ繰り出す途中だった。電車の中で、合流した彼女の友人も交え小山も加え和み開始。六本木に着き番ゲ打診するも、友人に引っ張られて足早に去ってしまった。

改札を出ると、地図前で何かを探している女子2人を発見。8と7。すぐさま声がけ。

「なにか探してるんですか?」

kitagawaより先に、小山が彼女たちをカバーした。オープン。2人はV2にいくところだった。偶然、向かう先が同じだったため、4人で和みながらV2への道程を歩いた。

kitagawaの担当は7。フィリピンとのハーフだった。小山の担当はアメリカとのハーフ。スト値8。肌がとにかく綺麗だった。二人とも、身長が高く、ヒールを履くと170を優に超えていた。2人はクラブ前にトイレに行きたいとのことだったので、ドンキのトイレを教えつつナンバークローズ。

すぐに道路を渡り、V2の列に並んでハンドサインの確認をした。そして、今夜これから起こることを想像しながらエントランスをくぐり抜けた。

「今夜はやれる気しかしねぇ。」

小山は自信たっぷりの笑みを浮かべた。

続く———。


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