V2 TOKYOレポート 後編 〜炸裂!焼き魚理論〜

驚きは、知ることの始まりである。

- プラトン(哲学者)


本日のエントリーは、続編になります。

前回のエントリー

V2 TOKYOレポート 前編 〜続・13縛り〜

こちらを先にご覧ください。


「今日はいける気しかしない。」

kitagawaはそう言いながら、小山と握手を交わした。経験に裏打ちされた揺るぎない自信がそこにあった。

「今日も合計のスト値を13以上で縛ろう。」

小山は言った。kitagawaは無言で頷いた。

エントランスをくぐり抜けると、けたたましく鳴り響くEDMの音が、さながら今夜のゲームの始まりの合図を告げているようだった。

ロッカーに荷物を入れようとすると、すでに満杯。様子を見ることに。小山がトイレに向かっていたので、一人サージングを開始した。

ダンスフロア手前で、お手頃な2人組を発見。スト6と7のコンビ。

「こんばんはー。今きたとこなんだけど、飲んでる?全然飲んでないじゃん?」

普通すぎるオープナーでも表情や雰囲気でオープン率は変わってくる。まずは肩慣らしのジャブ。彼女は中目黒に住むエステティシャンだった。少し和んでナンバークローズ。

高スト案件はいないこともない。ダンスフロアをぐるっと一周回りサージング。カウンター手前でまたもや6と7のコンビを発見。すかさずオープナーを投げた。

彼女は渋谷住みのOL。そこまでタイプじゃなかったので、小山の様子を見ながらとりあえず番ゲして放流。元カノと同じ名前だったので微妙な心境になった。こういう場合はウイングの邪魔にだけはならないように細心の注意を払う。それがコンビナンパだとkitagawaは思っていた。

しばらく、思うようにオープンしない時間帯が続いていた。時計の針は既に26時半を回っていた。

「3時までに持ち帰れたらイイね」

そんなことを小山と話していた。実は、このクラブナンパでの”3時”に持ち帰ることには深い意味がある。その意味は2つだ。

まず一つ目は、体力的な面。24時前から、立ちっぱなし、かつ歩きっぱなしでのピックアップは想像以上に体力を消耗していく。そして、なかなか上手くいかない事実からモチベーションも低下していく。さらに、体力が消耗すると思考力も低下していく。それが、総合的に成功率の低下に繋がっていくのだ。

二つ目は、始発の存在。都内の始発は、おおよそ4時半から動き出す。つまり、あまりに持ち出しが遅いと、「始発で帰る」という選択肢を女性側に与えてしまうのだ。これは成功率を鑑みる上で、非常に大きいファクターだ。

女性に選択肢を与えてはいけない。得てして、勝つためには常にゲームを支配するのは自分たちでなければいけない。そして、女性に「私たちが選択しているのよ」と思わせることも重要だった。

選ばせるのは「我々と外で飲むか、あるいは飲まないか」ではない。「ホテルで飲むのか、家で飲むのか、あるいは、そこで何を飲むのか」だ。そして、”飲む”というのはあくまで口実に過ぎない。

そんなことを考えながら、サージングを繰り返していた。合間、ロッカーが空いたか見に行く。空いていたので荷物を詰め込み、身体が軽くなったところで気合いを入れ直した。

バーカウンター脇で、2人組を発見。小山がオープナーを投げた。kitagawaはすかさずサポートに入る。担当したのは秘密系女子(住んでいるところ、職業等、自分のステータスをほとんど、あるいは全く明かさない女子の総称)だった。最終的に小山と連携しつつ引き出していった。西東京住みアパレル、スト値6。即案件ではなかったので、ナンバークローズ。

時間がなかった。もう一度トイレの前の方まで戻ると、来たばかりの様子の女子二人を発見した。7と6。すかさずオープナーを投げた。

彼女は笑顔が素敵な、千葉住みの看護学生だった。

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kitagawaの担当はプリ左側の子。「ほんとにぃ〜?」が口癖な、八重歯が可愛い子だった。小山はプリ右側の子を担当した。

彼女たちは別にクラブが好きで来ている様子ではなかった。ただ、行き場をなくしたからなんとなく居る———そんな雰囲気を感じた。5〜10分程度和み、小山に持ち出しのハンドサインを出した。小山、アイコンタクトで了承。

「疲れたし外で飲み直そう?友達がイイって言ったら出てもいいよね?」

これは最近kitagawaが使う持ち出しワードだ。”友達がイイって言ったらいいよね。”この言葉は、余程の自己主張が強い女子、あるいは突き抜けたパリピ(Party People:クラブ大好き女子)でないかぎりほぼ跳ね返されない。ウイングが上手く和めているのを確認できたら使うことにしている。このワードの秀逸なところはこれだけではない。

「ねぇ、◯◯ちゃんが出ても良いなら、こっちはもう出て飲もうって感じなんだけど?」

と、あたかもこちらのペアは出ることに対して積極的なのだ、という印象を与えることができ、持ち出しに繋ぐことができるのだ。

小山側のペアもこれを了承。すぐさま荷物を取り出し、エントランスを出ようとした。エレベーターを降り、外へ出ようとしたとき、kitagawaは違和感に気付いた。

バッグがない。バッグは?

クラブの中のロッカーだ。最悪だ。

「待ってるからとってきなよ?」

kitagawaの担当が笑顔で言った。最悪の事態を想定した。小山に二人を任せ、ダッシュで取りに戻った。

2人は?ちゃんと待っていてくれた。内心ほっとしたが、戦いはこれからだった。タクシーを捕まえ、家へ向かう。

最近、持ち帰るとき、狭いが四人で後部座席に乗るのが流行っている。密着感が親密度を上げ、助手席で離れる人が居ないので疎外感を持つ人もいない。

家へ到着。

「小山〜、これでお酒買ってきて〜」

kitagawaは小山にお金を渡し、ショッピングセパレートを促す。担当にジャブを打つためだ。ドアが閉まるのを確認し、ギラ。キスグダはない。下は?リーセでもない。いける。

形式グダ。炸裂!焼き魚理論。無事にインサート。だいしゅきホールドされる。事の最中に小山たちが帰宅。衣服を整え、4人でシャンパンセレブレーション。

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ベッドを用意し、寝る雰囲気に。小山、kitagawa共に即。事の最中、小山に肩を叩かれる。ゴムか?ノーゴムなのか?とりあえず近藤さんを渡したら、そそくさと遠ざかっていった。

乱もありえたが、雰囲気をぶち壊しかねなかったので率先してやらなかった。小山も多分同じ事を考えていたのだと思う。

朝、女子たちを見送った。今日も我々の勝利だ——そんな思いを抱きながら、小山と固い握手を交わした。

部屋に差し込む朝日が、心の暗がりまで照らしている気がした。


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