スト値9との戦い 前編 〜激動の1日目〜

いかに知識を身につけたとしても全知全能になることなどはできないが、勉強しない人々とは天地ほどの開きができる。

  - プラトン


9月某日、渋谷———。

この日は先日V2で出会った9と、仕事の打ち合わせと称して渋谷某所でパソコンを片手に飲む予定だった。女子のリアル集客に関してアドバンテージを持っていたkitagawaは、パーティ運営を個人で営む彼女には大変魅力的な存在に映っていたのであろう。

そんなkitagawaもクラブで彼女と出会った当初はビジネスパートナーではなかった。彼女主催のパーティーに6000円で参加させるためだけの単なる養分に過ぎなかったのだろう。彼女に積極的に番ゲされたときは正直驚いたが、と同時に大きな違和感があった。

アム◯ェイやニュー◯キン的なMLMか、あるいはその類の人間だろうと思った。しかし、高ストの前には、そんなものは関係なかった。彼女のスト値は9。おおよそ1/200の逸材だ。

【再掲】

スト値

ある人がいった。

「世の中の恋愛対象になりうる女性の75%は普通以下じゃない?」

たしかに、と思った。それだけスト高案件は貴重な存在だった。

10などはほぼ出会ったことすら無いし、9に出会うのも数時間街でピックアップを続けてやっと出会えるか出会えないか、という感覚値さえあった。

いずれにしろ、可能性は0でない限りアプローチするメリットは大いにある。そんなことを思いながら、彼女との繋がり方を組み立てていった。

彼女(※)は六本木に住み、ベンチャー企業で働く傍ら、個人でパーティー関連事業の管理運営をしていた。月収は既に100近くあった。経験人数は3人。地方出身で、人当たりがとても良く社交的で頭も切れた。普通の男性は引いてしまう存在ですらあった。過去に付き合ったのは、プロサッカー選手や経営者などらしく、芸能関係や医者など幅広い交友関係も持っていた。

kitagawaは自信があった。kitagawaは彼女が過去に出会った男性のどれにも属さない、唯一無二の独自性を持ち合わせており、それに彼女が惹かれていくビジョンが見えていた。あるいは、そう思い込むことで自己暗示をかけていたのかも知れない。プラシーボ効果。

しかし、その思考に至るに足りるほどの、膨大な量の経験と鍛錬を積んでいた自負があった。ある一流スポーツ選手が言った。

「練習しない奴は勝つ資格がない。」

kitagawaはこの言葉を好きでもあったし、嫌いでもあった。ただ、勝つことに拘る気持ちは誰よりも強かった。

一度電話で話したのと、数回のメールをやり取りしただけだったが、彼女の言葉の裏側には何かが潜んでいる気がした。リップサービスが大変得意な女の子だった。

そんなことを考えながら、彼女と渋谷のドン・キホーテ前で待ち合わせをした。彼女は待ち合わせ時間の10分前に、タクシーで到着していた。終電を逃すとか、始発までは帰れないとか、そんな「普通の」次元での話はできないことは分かりきっていた。

23:50—

ドンキ前でそれらしき姿を見た。彼女だ。

「絶対俺の顔を覚えてないでしょ?気付いていたら声をかけてよ。」

kitagawaは事前に彼女にそう伝えていた。彼女は気付いた様子だったが、まだこちらが本人か確証が持てない雰囲気だった。そのままスルーしてドンキでシャンパンを購入した。

会計を済ませ店を出る。彼女の方へ向かって真っ直ぐ歩いていく。すると、彼女がこちらに気付き、笑顔になった。

「声掛けられないから、帰ろうかと思った。」

kitagawaは彼女に言った。彼女は笑っていた。

「ドSだね。」

彼女は笑いながらそう言った。

「まぁね。」

kitagawaは敢えて遠くを見て彼女と目を合わせないようにしながら言った。それが、クラブで出会った彼女との2度目の出会いシーンだった。

世間話をしながら、歩いて目的地に向かう。しかし、行こうと思っていたイタリアンが閉まっていた。ピックアップの成功率を上げるためには、自分のパターンに持ち込むことが定石だった。ご飯や飲みをするのはホームタウン、あるいはそれに準ずる街がベターだ。

”相手の家のそばでアポを入れるのを良し”とする理論もあるが、それはここでは敢えて論じない。

行きつけのもう一つの店に彼女を連れて行くことにした。バジルとマスカルポーネのピザが美味しいあの店だ。

シャンパンのボトルを入れ、PCで議事録を取りながら彼女の仕事についてあれこれ相談に乗ってあげる。しばらく話すと、彼女は目と顔がほんのり赤く変わっていくのを感じた。

「そろそろ出ようか。電源とれるとこ行こう。」

kitagawaは会計を済ませ、彼女の手を引いた。

続く———。


(※)スト9の画像を限定公開しています。パスはLINE@で流しておりますので、よろしければご登録ください。25日の深夜0時には公開停止予定です。

友だち追加数

ID:@nanpa

その他>友だち追加>ID検索にてIDでも検索できます。


コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です