或る朝の出来事 その6

本日のエントリーは、

或る朝の出来事

或る朝の出来事 その2

或る朝の出来事 その3

或る朝の出来事 その4

或る朝の出来事 その5

こちらの続編となります。よろしければ、そちらからご覧頂ければと思います。


至上の処世術は、 妥協することなく適応することである。

ー ジンメル(哲学者)

Chapter 6 触角

そのとき、美玲は口元に付いたフレンチドレッシングを、真っ白なおしぼりで拭っていた。

kitagawaは頭の中が真っ白になっていた。むしろ、真っ白に「させていた」といった方が正しいニュアンスが伝わるのかも知れない。そのように思考を転換させたのは、もはや思考力の低下した頭で分析がどうのこうのしているより、直感で動いた方が成功する予感がしたからに他ならなかった。

それだけ、膨大な量の経験と知識を積み重ねてきた。成功体験はもとより、「うまくいかないやり方」に関しては誰よりも熟知している、という自負もあった。

kitagawaは残念ながら生まれながらのイケメン、というタイプではなかった。女性から逆ナンをされるなんてことはまず無いし、他の誰よりも、失敗に失敗を重ねてきたのだと思う。そりゃもう、尋常じゃない量の。気でも狂ったかのように。

ある日を境に、失敗をする未来のヴィジョンが見えるようになった。

「あ、これは上手くいかないな」

「この言葉を言っちゃマズかったな」

そう感じたときは結果として、その事案はダメになるケースが殆どだった。

PUを始めてから時が経つにつれ、女性の言葉や行動、所作の一つ一つに至るまで敏感になっていった。それは、知覚できる部分はもとより、言語化するのが難しい領域に至るまで細密に把握できる、例えるならば昆虫の「触角」に近いものを持っている感覚だった。

彼女の居心地が良い会話を探る。いつの間にか、流れは花見の話になっていた。

「今年ってお花見行った?」

kitagawaは柔らかく訪ねた。

「ううん。まだ。今年は週末も仕事とか予定があって、いけないかな。」

話を進めていくと、彼女が女優の卵であること、舞台の稽古とバイトで日々多忙であることなどが分かった。小さなときから某有名女子校の一貫教育で育ち、ご両親も大変優秀な方らしかった。住んでいる場所は、某高級住宅街の一戸建て。彼女の裕福な幼少期がなんとなく想像できた。

息の詰まるような日常の中、彼女は何か重たい「責任」のようなものを常に背負って生きているようにも見て取れた。それが本当の彼女の姿なのか、あるいは無理をしてそうあるべきだ、という理想像をがむしゃらに追い求めているのか。そのときのkitagawaには知る由もなかった。

彼女は安息を求めているのかも知れない———。

「そろそろ行こっか。」

kitagawaは笑顔で言った。店を出て大通りに出ると、先ほどよりも交通量が明らかに増えていた。時間の経過を物語っていた。

「ちょっとさ、どうしても見せたいものがある。俺もそれを見たい。ほんの少しだけで良いから付き合って?」

kitagawaは真剣な表情で美玲に投げかけた。彼女は少し辛そうな様子だったが、それを渋りながらも受け入れてくれた。

二人を乗せたタクシーは、朝の賑やかな雑踏の中に吸い込まれていった———。

ー続くー


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