本日のエントリーは
ナンパ師 vs 恋愛工学生 ガチンコナンパバトル vol.1
ナンパ師 vs 恋愛工学生 ガチンコナンパバトル vol.2
こちらの続編になります。宜しければそちらからまずは御覧ください。
I will prepare and some day my chance will come.
準備しておこう。チャンスはいつか訪れるものだ。
— Abraham Lincoln (エイブラハム・リンカーン/米国第16代大統領)
Chapter 3 いつものように
18:00
なんとも形容し難い感情を心の中に時限爆弾のように溜め込みながら、試合開始と同時に足早に家を出た。
時は少し遡ること1時間弱。
17:00
仕事を終え渋谷に到着したのが、この時間だった。着替えて出かける用意も含めると、時間はほとんどなかった。しかし、チームの皆と円陣を組んで気合いを入れたかった。ちょうど、同じ裏ナンパ師チームのドラちゃんとカミナリが駅前にいるということだったので、一瞬だけ会うためにLINEでやりとりをした。
後の二人はまだ到着していない様子だった。大丈夫かと一抹の不安がよぎったが、彼らはきっと大丈夫だ。遅れてきたとしても、kitagawaよりずっと要領よくナンパをしてくれるだろう。
18:05
円陣を組んだ時の写メを見て、気持ちを高ぶらせていた。同じ街で、チームの皆と同じゴールを目指してベストを尽くす。そのことが、心底うれしかった。そんなことを思い、ニヤニヤしながら歩いている自分は、端から見れば正直気持ち悪かっただろう。
気をとりなおして、声がけを始める。
「さあて どうしたものか。」
kitagawaはうだるような暑さの中、自問自答していた。この日のために、勝つための戦略を練って練って練りまくっていた。まるで練って美味しいねるねるねるねみたいに。
街は美若で溢れていた。
いつもの癖で、自然と可愛い子に目がいってしまう。しかし、それではいけない。当初の戦略と大きくズレてしまうからだ。スト高にアプローチをし続けることは、ナンパバトルにおいては相対的に効率が悪いといえる。
彼女たちは男たちから恒常的にアプローチされ、声をかけられ、誘われることに慣れている確率が高い。ともすれば、彼女たち自身の防衛力も比例して高まっていくのが常だ。あしらう技術に長けていたり、あるいはLMR(last minute résistance:最後の抵抗。)で強グダが発生し、手に負えなくなってしまうのだけはできるだけ避けたい。
連れ出し、和み、即まで、できるだけ案件の取りこぼしを防ぐこと。これがタイムリソースの有効活用につながる。
こうして、前半6時間の耐久ナンパバトルの火蓋が切って落とされた———。
— 続く —