ナンパとピックアップと合コン vol.3

本日のエントリーは前回の

前回の

ナンパとピックアップと合コン vol.1

ナンパとピックアップと合コン vol.2

こちらの続編になります。よろしければそちらからご覧下さい。


人はいつだって何かを失っているのよ。それでも私たちは生き続けなければならない、そうでしょう?

— マリリン・モンロー(女優)

Chapter 4 ウーロンハイ

「何飲むー?」

kitagawaはミキ(仮)の方を向いて言った。

「え〜と、じゃあ、モヒート!」

隣のアミも「同じの!」とのことだった。店員を呼び止め、「モヒート」と「ウーロンハイ」を4つずつ頼んだ。敢えて全員に聞こえるように声を張った。と、同時にkitagawaは忍者のように席を立った。先ほどの店員を後ろからダッシュで呼び止めるためだ。

「すみません、飲みすぎてる奴がいるので、先ほどのウーロンハイを烏龍茶に変えてもらってもいいですか?」

kitagawaはテーブルから少し離れた場所で店員に打診した。店員は笑顔で頷いた。用を足しつつ、充電の減りが恐ろしく早い携帯をチェックして、席に戻る。

ちょうど後ろから店員がモヒートと烏龍茶を運んでくるタイミングだった。

「あ、ありがとうございます。ここに置いてもらって大丈夫です。」

kitagawaはそう言いながら、テーブルの隅の方に店員が持つお盆からジョッキをおろすのを手伝った。店員に任せたら、「烏龍茶」と言いかねない。それを悟られないように、水面下で動く必要があった。場をコントロールするためだ。酔いすぎてはいけない。

「第二回戦行きましょう!ボーイズトーク・ガールズトークゲーム!!いえーい!」

kitagawaはテンション高めに言った。

「なにそれ〜?」

kitagawaは再びルールの説明をした。これは男女がそれぞれ3人以上いなければ盛り上がらないゲームだった。が、現状の場の空気と先ほどのナンバーワンゲームでの様子を鑑み、必ず盛り上がることがイメージできていた。

「じゃあ、お題は『付き合ったら尽くしてくれそうな人』!(笑)」

女性陣にテーブルに伏せるように促す。

「この子(名前を出さないように指をさしながら話す)はめちゃ料理とか何気に美味そう(笑)」

「この子は騎乗位とかすごそう(笑)」

ちょっとエンジンがかかりすぎな奴もいる。女性陣が引かない程度にしてくれ、とkitagawaは思った。この手の話題は顔面偏差値との相関性や、その人が持つキャラ等にも影響を受けるため一概に否定できないが、空気を読んでいかなければナーバスになってしまう女性もいることだけは確かだった。

女性陣が伏せている間に、kitagawaは男性全員にメッセージをメモした携帯の画面を見せる。

「ウーロンハイぜんぶ烏龍茶 気付かれないように」

kitagawaは人差し指を立てて自分の唇に当てた。他の男性陣は一瞬驚いたような表情を見せつつ、またゲームに戻った。

ゲームのルール通り、女性を一人に選ぶとkitagawaはその子にテーブルの隅に置いてあるモヒートを渡す。いい飲みっぷりだ。歓声が巻き起こる。

「それじゃあ、次のお題は『デートに行ったら楽しそうな人』で!(笑)」

今度は男性が伏せている間、女性はお題について一人を選定する。このゲームは必ず男女が交互に酒を飲むことになる。女性はあれやこれやと、テーブルに伏せている男性陣の頭越しに会話をしている。

「〇〇(名前を出さないように指をさしながら話している)は、めちゃ紳士そう!(笑)

「△△はいろいろな場所に連れて行ってくれそう(笑)」

案の定、かなりの盛り上がりを見せていた。そして、このお題では予想外にもkitagawaが選ばれた。こういうのは慣れていないのでほんの少し照れた。

kitagawaは用意していた「ウーロンハイ」を飲み干した。再び歓声が上がる。そんなやり取りが4往復続いた。

アミが席を立つのを見計らって、kitagawaも席を立った。テーブルは盛り上がっている。彼女たちはここでオールするつもりらしかった。

すぐ隣にある女子トイレの隣の個室で、kitagawaはタイミングを見計らっていた。女子トイレのドアが開くと同時に、kitagawaも外に出た。

「おっ。びっくり(笑)お疲れー。」

kitagawaは偶然を装った。

「あ、おつー。(笑)」

アミはアパレルで働いており、ロングヘアーがとても綺麗だった。テーブルの中では一番kitagawaのタイプだった。

「本当さっきまでつまんなくて、実は帰りたいと思ってた(笑)」

彼女は笑いながら言った。

「今は?」

kitagawaは少し笑いながら、彼女の方を見ずに言った。

「んー。(笑)」

彼女は答えの言及を避けているようだったが、さっきまでの表情を見てると明らかだった。あれがもし演技だったら、魔性すぎる女だと思った。

「なるほどね(笑)ちょっとさ、散歩しない?」

kitagawaは手を差し伸べながら言った。

「えー、ダメだよ、みんないるし。」

グダ。

 

—続く— 


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